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2008 06| |2008 08
7月1日(火)
コロムビア・レディメイドのホームページに寄稿 vol.2
『風通しのよい答え』

先日、赤坂にあるユニバーサル・ミュージックのオフィスを訪ねた。
今秋リリース予定のコンピレイションCD『ムジカノッサ・ジャズ・ラウンジ』の打ち合わせのためだ。
担当していただいているのは、この『レコード手帖。』のライターとしてもお馴染みの斉藤嘉久さん。
ジャケット・デザインやスケジュール、そして予算などの話を一時間ほどで終え、「食事をしながら、軽くお酒でも」ということになった。

そして当然、コロムビア・レディメイドのホームページの話題に。
斉藤さん執筆の『10年前の話』と『受話器越しのジョアン』に、とても感銘を受けたことを素直に伝えた。
続いて、思い切って訊いてみた。「なぜ、レコード会社に入られたのですか?」と。
すると「レコード会社しか受けなかったんですよ。せっかく音楽が好きなんだから」という、あまりに風通しのよい答えが返ってきた。

ぼくは、斉藤さんがどれだけ音楽を愛しているか、そしてどれだけ仕事に対してプロフェッショナルであるかを知っている。
さらにはレコード会社に希望通りに就職できたからといって、誰しもが音楽にまつわる素敵なエピソードをあのように綴れる訳ではないことも知っている。
それはひとえに、斉藤さん自身が常に“こうありたい”と強く願うことで、進むべき方向に迷いなく歩み続けてきた結果のように思えてならない。
MPSの創始者であるハンス・ゲオルク・ブルナーシュワーとのあまりに音楽的な交流も、“なにかの曲を口ずさんでいるかのようだった”というジョアン・ジルベルトとの電話でのやりとりさえも、だ。

ぼくはというと10年前、わざわざ上京してまで専門的に学んだ洋裁の道ではなく、クラブという“場”を介して知り合うことのできた尊敬する編集者と共にどうしても仕事をしたかった。
そして、さらに時間を巻き戻すと――情熱をバスケットボールからバンド活動にシフトさせてしまった高校生が持っていたささやかな願いは、“好きな音楽と共に生きてゆく”ことだった(洋服に関わる仕事を選ぼうとしたのもまた、実はそのためだ)。

こうしたお互いの話は止めどなく続き、結局お酒は軽くならなかった。

翌日のカフェ・アプレミディでは若干の二日酔いの中、ようやく最終的な絞り込みに入った『ムジカノッサ・ジャズ・ラウンジ』の仮選曲を繰り返し聴いていた。
カデット期のラムゼイ・ルイスによる“The Distant Dreamer”は、一聴してそれとわかるチャールズ・ステップニーのオーケストラ・アレンジが空間を鮮やかに彩り、スタンリー・カウエル率いるピアノ・トリオが挑む“Equipoise”のセルフ・カヴァーでは、名手セシル・マクビーによるベース・ソロがその崇高なスピリチュアリティーを自由に謳っている。

“こうありたい”と強く願い続けることは、とても大切だと思う。

“好きな音楽と共に生きる”というぼくの願いは今日、ある程度、かなえられている。



文中に出て来るラムゼイ・ルイスによる『The Piano Player』。“The Distant Dreamer”はスティーヴィー・ワンダー作曲。ステップニーの曲も収録で、アルバムとして大好き。
7月2日(水)
時のスピード
カフェ・アプレミディを少し抜けて、井出靖さんのレーベルであるグランド・ギャラリーの50作リリース記念パーティーへ。

驚いたのは、ティカのヴォーカルの武田カオリさんの子供さんが元気に走りまわっていたこと。駒沢のカフェnicoでお腹の大きな彼女をお見かけしたのがつい先日のような感覚なのに。 時が経つのは早いのですねぇ。



こちらはティカのカフェ・アプレミディでのライヴ盤『A Night at Cafe Apres-midi』。リリースはなんと2001年!時が経つのは早いのですねぇ。
7月3日(木)
栄養バランス
無性に野菜が食べたくなって、ブロッコリー。にんにく、唐辛子とオリーブ・オイルでシンプルに炒めて塩とコショウをしただけ。だいたいの食材は、コレだけで美味いもんです(笑)。身体がこんなに求めてるっていうことは、色々栄養が足りてないんでしょうね。一人暮らしがこれだけ長いと、バランスが偏っているのをリアルに実感します。
結局これでビールを二缶ほど......。



シンプルなだけに、塩を少し上等にするだけで味にかなり違いが出ますよ。お試しあれ。
7月4日(金)
キッチン!
松浦さんから頂いたお仕事で、恵比寿のイタリアン“ベルガモ ”でDJをディナー・タイムに3時間ほど。
ブースの目の前はなんとキッチン!普段見ることもないような大きなサーモンを切り分けるところとか、奥で極大のフライパンを全身をフルに使って振ってるところとかじっくり見れて、もう、たまりませんでした(笑)。また勉強したいです。

「DJは?」っていう突っ込みが聴こえてきそうですが、しっかり世界は創ってまいりました。



手前はCDJです。左の女性スタッフはピザをのばす最中。男性のホール・スタッフはイケメン多しでした。
7月5日(土)
A Border And A Bird
スモール・サークル・オブ・フレンズのサツキさんが、オリジナル・ブランドのボーダーを送ってくださいました。さりげなく鳥もプリントされてたりで、夏らしくてお洒落な一枚。実はボーダーはかなりご無沙汰で、着こなせるか不安ですが(汗)。



コットンのバゲット・バッグも可愛いです。詳しくはwww.scof75.comまで。
7月6日(日)
今日も微睡んでおります。
普段使っているポーターの3ウェイ・バックの上も、僕が部屋にいるときはヤッコのお気に入りの場所のひとつ。



そのまま背負うとシャツも猫毛の餌食に、ですが(笑)。
7月7日(月)
理由を付けての赤ワイン
カフェ・アプレミディの勤務後、来週収録予定のラジオBar Bossaの打ち合わせという理由を付けて、今夜も林さんのお店で赤ワインを。

選曲のイメージや、出演時の流れなどを確認。当日が楽しみです。



今回の『ムジカノッサ・ジャズ・ラウンジ』収録曲から、お店のBGMとしても大丈夫そうなものをチョイスすることに。ジムノペティのフレーズが飛び出すジョージ・シアリングの“It Never Entered My Mind”はまず間違いないかと。
7月8日(火)
久しぶりにカフェ・アプレミディでイヴェント開催!
8/23 Sat.

Cafe Apres-midi File Release Party!

[DJ's]橋本 徹(SUBURBIA)、井上 薫(CHARI CHARI)・福富 幸宏・中村智昭(MUSICAANOSSA)

[Live]fussy & 山下 洋(WACK WACK RHYTHM BAND) with TOYONO

[at] 渋谷 Cafe Apres-midi
[start] 24:00 to 5:00
[info]03.5428.0510



両A面のフライヤー・デザイン。井上さんと福富さんのラウンジDJが聴けるのは超貴重!
7月9日(水)
『ムジカノッサ・ジャズ・ラウンジ』発売日決定!
ユニバーサルの斉藤さんから今日正式にご連絡いただいたのは、10月1日に二枚同時発売!
いよいよ実感が沸いてきました。



収録曲の中からラジオBar Bossa用にもう一曲ご紹介。
ステファン・スカジアリ・トリオの“Golden Lady”で、もちろんスティーヴィー・ワンダー作のホセ・フェルシアーノでもお馴染みの。それらに負けず劣らずのこんな名演もなかなか無いかと。
7月10日(木)
みんな純粋
渋谷デュオでのナチュラル・レコード・ワンマン・ライヴにてDJ。会場はオール着席でキャンドルが灯って落ち着いた雰囲気。席はしっかり埋まって、人気ぶりが伺えました。

リーダー宮くんの個性が強力に引っぱるバンドで、特に歌詞が印象的。そしてやはり耳を奪われたのはゲスト参加のサックス加藤さんの音色。そう、もちろんCALMのあの音なのです(曽我部さんのバンドにも参加!)。特にアルトが沁みました。

イヴェントを終えてからは打ち上げでビールを交え、相当に親睦を深めた感じで本当に楽しい時間を過ごせました。好感が持てるメンバーばかり。みんな純粋。



舞台袖のPAブースから。ライトを浴びるミュージシャンって、眩しいですね。
7月11日(金)
バルキーニョが本日オープン!
ボサノヴァ・ギタリストの東野さんが渋谷にバーをオープン!その名もbarquiho(バルキーニョ)で、ポルトガル語で“小舟”を意味する名曲から引用です。

場所はオルガンバーの斜め前、焼き肉の名店ゆうじの奥、レコード好きの方には元スパイス・レコードがあった建物の2階と説明すれば解り易いでしょうか。

Bar Bossa、Bar Blen blen blen、そしてbarquihoと、渋谷のボサノヴァ〜ブラジリアン・ミュージックのかかるバーはみんなBが頭文字。関係者の間ではすでに「渋谷のスリー・B」なんて呼び名も。なんかカッコいいっすね(笑)。



イラストとロゴ・デザインは、カチアやNOANOAワークスでもお馴染みのepok菅谷さん。流石です。
7月12日(土)
7月のCDリコメン@apres-midi.biz 其の一
PAUL WELLER / 22 DREAMS

ザ・ジャム時代を彷彿とさせるパンキッシュなナンバーも、『PET SOUNDS』におけるビーチ・ボーイズ〜ブライアン・ウイルソンのようなドリーミンなポップスも、ソウルフルでアーシーなブルースも、ストリングスに寄り添う自身の叙情的なピアノも、亡きアリス・コルトレーンに捧げられたスピリチュアルな世界観も、元ブラーのグレアム・コクソンと共にみせるチャーミングな表情も、あまりにメロディアスなインタールードも、オアシスのリアム・ギャラガーとのヘヴィーなロックンロールも、サイモン・アーミテイジによるポエトリーをフィーチャーした神への祈りも、真っすぐな眼差しが胸を打つバラードも、壮大なスケールで描かれるエンディングのインストゥルメンタルも、その全てが今年50歳を迎えたポール・ウェラーの手によるものであるという当たり前の事実。

21曲という30年を超えるキャリアの中でもかつてないヴォリュームとなったソロ第9作は、これからの僕の生き方の指標となる、充実のアルバムとなっています。やはり彼は、いつの時代にも存在そのものが“MOD”だと思えるのです。



豪華ブックレット付きの限定盤も。
7月13日(日)
7月のCDリコメン@apres-midi.biz 其の二
GONZALES / SOLO PIANO

日本独自企画による嬉し驚きの世界初アナログ化! エレクトロ〜ヒップホップといった最先端のダンス・ミュージックからファイストやジェーン・バーキンのプロデュース・編曲までを手掛ける才人による静寂の名盤。

2004年発表で、21世紀になってから生み出された音楽の中でカフェ・アプレミディで最も多くプレイされた作品がおそらくこの『SOLO PIANO』。それはそれは数えきれな いほどのお客さまとの間を取り持ってくれました。

1曲目“GOGOL”からラストの“ONE NOTE AT A TIME”までが組曲のように連なる中、ハイライトと言える10曲目“GENTLE THREAT”から続く“THE TOURIST”への流れの美しさは、ちょっと言葉にできないほど。今回のアナログ化にあたって初めて生まれたA面からB面に盤をひっくり返す作業は、あたかもそこへ向かっていくためのある種の儀式のよう(笑)。

音楽ソフトのパッケージ危機が叫ばれる近年において、当たり前に大切なのはやはり音楽そのものの魅力であることを再確認いたしました。これだけ大好きなアルバムを“物”として所有しておきたいという欲求は、日本人特有のものなのでしょうか? そしてそれは、僕たちの世代で終わってしまうものなのでしょうか? そんなことを頭の中でぐるぐると考えながら、今日もカフェ・アプレミディでこの作品を聴いています。



ジャケも含めた“アート(芸術)”の存在と重要性を感じさせてくれる、数少ない一枚かと。
7月14日(月)
収録&握手とサイン
ラジオBar Bossaの収録を、浜松町の文化放送で。お腹が痛くなるほど緊張してしまいましたが、なんとか無事に終了。選曲もなかなか好評で一安心。

夜は青山CAYにてベニー・シングスがプロデュースを手掛けたフィメイル・シンガーであるジョヴァンカのショウ・ケース。ギターとベニーの鍵盤による貴重なアコースティック・セットが聴けて幸せ。さらに担当の岩永さんに(厚かましくも)お願いしてベニーに握手とサインまで。感激でした。



設定は深夜のBar Bossa。美しい女性とカウンターでご一緒でした。ジャケのラフを持ってくれている彼女はナレーターも務めるDJ AKINAさんで、実はヒップホップのDJさんとのこと。中央はマスター林さん。選曲は控えめでしたが、だからこそ大切なことが伝わった気がします。

・Spartacus Love Theme / Bill Evans with Jeremy Steig
・Once I Loved / Mccoy Tyner
・Golden Lady / The Stefan Scaggiari Trio
・Sack Full of Dreams / Ernestine Anderson
・Prelude-So You'll Know My Name / Roland Hanna
・It Never Entered My Mind / George Shearing

僕選曲の時間を除いては、スタンダードなボサノヴァの名曲がたくさん聴けますよ。
放送はインターネット・ラジオ「ユニーク・ザ・レディオ」(http://www.uniqueradio.jp)の8月毎週火曜日6:00〜8:00、12:00〜14:00、20:00〜22:00、土曜日9:00〜11:00のリピート放送とのことです。
7月15日(火)
ジャケのイラストが仕上がってきました!
しっかり描き込んでいただいて!
渋いっ!



音が伝わってくるかのようです。孝雄さんに感謝!

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2008 06| |2008 08